日本画

日本人の心、日本画。

日本画と西洋画の違いは?

まず最初に日本画を語る上で欠かせないのが、何をもってして日本画と呼ぶのか、という点を抑えることです。日本で日本人が描いたら日本画ではなく、作品を描く上で使われる画材の材料が大きなポイントです。基本的には、紙や木に墨や岩絵具などの天然の絵具を用いて描くのですが、こういった天然の絵具には紙に色を定着させる接着剤の役割を果たす物が含まれていません。そのため、水に絵具とにかわを溶いて使用するのが最大の特徴と言えるでしょう。金箔などを画材として取り入れているものもあります。この日本画に使われる画材は非常に扱いにくいものなので、技術習得にはかなりの月日が必要とされています。

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歴史ある日本画

日本画は中国の文化から始まったとされ、平安時代の頃に日本独特の文化になったと言われています。始まりは「やまと絵」と呼ばれる絵巻物によく描かれている様式で、遠くの物も同じ大きさで描かれるのが特徴です。更にそこから「吹抜屋台」という、地平を斜め上から見下ろす構図が生まれました。その後、鎌倉時代には墨のみを使用して描く「白描」(鳥獣戯画などが有名)、室町時代には「水墨画」が隆盛します。江戸時代に入ると狩野派、琳派と分かれ、海外より伝来した写生画なども描かれるようになりました。その後、1870年代には洋画が多く入ってきたため、その時に差別化するために上記の日本独特の技術で描かれた絵を日本画と呼ばれるようになったそうです。

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海外でも愛される日本画

江戸時代には版画と呼ばれる印刷技術が導入され、絵画は民衆にも身近な文化となりました。それを浮世絵と呼び、数々の作品が海外へ渡ることで多くのアーティストに影響を与えます。有名なのはゴッホで、「タンギー爺さん」という作品に多くの浮世絵が描かれています。作曲家のドビュッシーも葛飾北斎の作品に多大な影響を受けたとされており、日本画はまさに世界中で愛される作品と言えるでしょう。そんな日本画をインテリアとして飾るならもちろん和風の部屋が似合いますが、意外とモダンな室内にもマッチします。様々な家具との組み合わせを試してみて下さいね。